歌が上手くなっていくパターン、雨宮天
歌が下手な声優と歌が上手い声優について、花澤香菜と早見沙織を例にふたつの記事で語ったが、今回は歌が上手くなっていくパターンについてご紹介したい。
雨宮天だ。
雨宮天が主役級の役をゲットしてブレイクし始めた2014年、一週間フレンズ。のEDを主役のキャラソンとして歌った。スキマスイッチの奏のカバーだ。
声がかわいい。
だけど、一本調子で表現が浅い。上手いか下手かでいうと、下手だ。
wikipediaを引くと分かるのだけど、2014年ごろからブレイクし始めた雨宮天は、猛烈にキャラソンをリリースしている。TrySailという声優ユニットを含めると、最近の若手声優の中ではピカイチのリリース数だと思われる。
さらに今年の9月にはソロアルバムをリリースした。
正直全部のキャラソンは追えてなかったので、雨宮天って、奏歌ってたときは下手だったよなという印象しかなかった。
ところが、このソロアルバムを聴いて驚いた。
歌が上手くなっているのだ。びっくりするくらい。
発声方法、ビブラートのかけ方などまるで別人みたいな歌になっている。
最初の奏と聴き比べてほしい。
ただ、どうもこの上手さって、単にボイトレ頑張った上手さに聞こえません?
80年台アイドルの、しっかりボイトレを受けてたアイドルってみんなこんな感じの歌い方だった。歌がうまくなることと引き換えに個性を捨ててしまったようにも感じるのだ。
これまで何回か述べたように、歌が上手いことが決してプラスにはならないのが、声優ソングの奥深さだと思うのだ。
しかし、キャラソンの場合、キャラ性を考慮した歌い分けが往々にして要求される。できない声優も多いが、雨宮天の場合は、きちんと歌い分けしている。
同じく今年リリースされた、この素晴らしい世界に祝福を!のキャラソンを聴いてみよう。
ノンビブラートで地声に近い発声で歌っている。
アクアのバカ素直な感じが表現されている。
時期的にはソロアルバムのリリースと重なるので、ボイトレの結果上手く歌えるようになっているはずなのに、わざと下手くそに歌っているのだ。
さて、どうだろう?
音楽としての完成度として考えるなら、確かなテクニックで歌い上げるソロアルバムの曲のほうがいいのだろう。
でも雨宮天としての魅力は、このすばのアクアのキャラソンの方に軍配があがるような気がしてならない。
私の場合、聴いていて楽しいのは確実に後者だ。
なお、このすばのキャラソンは、ダクネスの歌も素晴らしいのでアニメのファンなら買っても損はしないと思います。おすすめ。
TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を! 』キャラクターソングアルバム「唄う我らに臨時報酬を! 」
- アーティスト: V.A.
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2016/03/09
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (3件) を見る