おっさんが愉しむアニソン世界

アニソン・声優ソング好きのおっさんが曲紹介します

早見沙織は歌が上手い

そう、早見沙織は歌がうまい。


【声優ライブ】 ご機嫌いかが? 【早見沙織】

神のみぞ知るセカイの中川かのん(cv.東山奈央)ライブでゲスト参加したときの映像。 2012年の映像なので、今よりも顔がパンパン。ライブそのものも不慣れだろうに(お母さんが見に来てることをツッコまれていた)ここまで堂々と歌えるのはすごい。

 

表現力もあるし、ざーさんとは一線を画する歌のうまさだ。

 

さて、東山奈央と並んで、歌える声優としてけっこうなキャラソンを出している早見沙織だが、今年の5月にソロアルバムが発売になった。

「Live Love Laugh」<CD+Blu-ray盤>

「Live Love Laugh」<CD+Blu-ray盤>

 

 このアルバム、歌うまいし、楽曲もアーティスティックな曲が並んでいる。

だったらいいじゃない? と思うかもしれないけど、自分は妙な居心地の悪さというか、違和感を覚えるのだ。

その声が地図になる

その声が地図になる

やさしい希望

やさしい希望

 早見沙織らしいイノセントさも出ているし、楽曲もいい。

これ以上ないのに、なにかが物足りなく感じるのだ。

 

冒頭にあげた東山奈央のライブ盤のCDや、エルシィ役の伊藤かな恵と一緒に出している神知るのキャラソンのCDでは、早見沙織の歌だけ抜き出してプレイリスト作って聴きこむほど好きなのに、この待望のソロアルバムがどうもすきになれない。

 

早見沙織名義のソロアルバムだけに、そこになんのキャラも乗っかっていないのが、原因なのかもしれいない、と気づいた。

 

なまじ歌が上手いだけに、強烈な早見沙織の個性を感じてしまう。

そこにあるのは、アニメキャラにのっかった2.5次元の声優ではなく、リアルな、人間としての早見沙織だ。

 

歌が上手いのがどうもよくないのだ。

神知るのハクアとしての早見沙織、俺ガイルの雪ノ下雪乃としての早見沙織、そうした場合のキャラソンは、キャラに引きずられて、歌がうまくてもあまりリアルな人間味を感じさせない。歌が上手いキャラクターの曲として、頭が理解する。

しかし、なんのキャラ付けもされてない、素の早見沙織として歌を出されると、歌の巧さが解像度の高すぎる写真みたいに、リアルさを浮き上がらせてしまう。

 

歌が上手いからと、変にアーティスティックな曲を揃えているのも実は失敗なんじゃないかと思う。もう少しアニソンっぽい俗さというか、そういう味付けが必要だったと思う。

 

リアルで何が悪いのかと思われる方もいるだろう。

別に悪くはないのだ。現実の早見沙織だって、ちょっとヒラメ顔だけど愛嬌があってかわいい。アイドルには負けるかもだけど、声の素晴らしさは何にも負けない。

でも、3次元は、声優でないもの――それこそアイドルであったり、普通のアーチストであったり――の牙城なのだ。声優がそこで勝負する意味が本当にあるだろうか。

 

声優はあくまで2.5次元にとどまっているべきなのだ。

 

その点で言うと、花澤香菜は、なんのキャラ付けもないソロアルバムで、ニューヨーク録音した意識高い系楽曲を歌わせても全然リアルさを感じない。

これは実はすごいことなんじゃないかと思う。

歌が下手であるがゆえに、2.5次元の存在を保っていられる。歌の下手さが逆に強みになっているのだ。

しかし、たまに歌が下手すぎてどうしたって合わない楽曲に巡り合うときもある。

 

だから、歌が上手いに越したことはないのだ。

2.5次元の存在のまま、声優として楽曲を歌いこなせるポテンシャルは早見沙織にあると思う。

 

今後の活躍に期待したい。

 

以下の神知るの2枚のキャラソン集はおすすめ! 

 

SECOND MISSION

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